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講師&講演概要LECTURERS & PRESENTATIONS 

講演者についてABSTRACTS OF LECTURER & PRESENTATION

小谷 元子MOTOKO KOTANI
  • 東北大学 理事・副学長
専門分野キーワード:
  • 数学
  • 微分幾何学
  • 離散幾何解析学

講演概要

ミクロとマクロをつなぐ数学「離散幾何解析」

数学は我々の宇宙を記述する共通言語として長い歴史のなかで科学の発展に貢献してきました。特に自然界の形や動きを表す数理モデルを提唱し、必要な数学を開発してきました。我々の知識や興味が広がり、新しい科学が生まれるたびに、同時に数学は発展する機会を与えられ進化してきました。

近年、観測・計測技術が高度になるにつれ、我々が普段目にする物質は原子という非常に小さい単位からなり、この原子たちがお互いに相互作用で結びついてネットワークを形成する。更にネットワークのネットワークがより複雑な微視世界を形作り、これらがその物質のもつ性質を決定しているということが明らかになってきました。このようなことから、微視的な世界と我々が日常目にし、手に取る物質の巨視的な性質の間の関係を理解するための数学の必要性が高まりました。離散幾何解析は、このような階層的なネットワークおよび階層間の関係を明らかにする幾何を扱います。本日の講演では、具体的な例を示しながら、離散幾何解析の挑戦についてお話しします。

講演者プロフィールLECTURER’S PROFILE

略歴(2022年8月現在)

1983年3月
東京大学理学部数学科 卒業
1990年2月
東京都立大学大学院理学研究科理学博士
1990年4月
東邦大学理学部 講師
1993年9月 – 1994年8月
ドイツ マックスプランク研究所 客員研究員
1999年4月
東北大学大学院理学研究科数学専攻 助教授
2001年4月 – 2001年11月
フランス 高等科学研究所(IHES)訪問教授
2004年1月
東北大学大学院理学研究科数学専攻 教授
2008年8月 – 2014年3月
東北大学ディスティングイッシュト プロフェッサー
2011年5月
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 副機構長
2012年4月
東北大学原子分子材料科学高等研究機構長
2014年3月 – 2022年3月
内閣府総合科学技術・イノベーション会議 議員(非常勤)
2014年11月
沖縄科学技術大学院大学学園 理事
2015年6月 – 2017年5月
一般社団法人 日本数学会 理事長
2017年4月
東北大学材料科学高等研究所長(組織名称変更による)
2017年4月 – 2020年3月
国立研究開発法人理化学研究所 理事
2019年4月
東北大学高等研究機構長
2020年4月 – 現在
東北大学 理事・副学長

主な受賞・栄誉等

2005年
第25回 猿橋賞
2005年
東北大学総長特別賞
2011年
東北大学総長教育賞

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