第10回京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウムを開催しました。
第10回京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウムを、2024年2月3日にJPタワーホール&カンファレンスにて開催しました。本シンポジウムは2014年から毎年開催しているもので、一般市民、高校生、研究者など合わせて232名の参加者がありました。
今回は、「材料科学がひもとく未来の姿」を統一テーマとして、木本 恒暢 京都大学大学院工学研究科教授、小野 輝男 京都大学化学研究所教授、矢野 浩之 京都大学生存圏研究所教授の3名が講演を行いました。講演では、省エネルギーの半導体の有用性や開発の面白さ、記憶媒体の開発の歴史とスピントロニクスのデバイスへの応用、更には植物から生成された素材を使った車の制作など、工学・理学・農学の分野から見た材料科学の研究が幅広く紹介されました。
講演後には、サイエンスライターの吉成 真由美 氏をリーディング・モデレーターとして迎え、講演者によるパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、材料科学がどういった研究なのかといった概形や過去の重要な発見の説明に始まり、材料科学を学び始めたきっかけ、材料科学の未来に至るまで話題は多岐に及びました。パネルディスカッション中は笑いも起きるなど、参加者にとって材料科学や研究者を身近に感じる時間となりました。
参加者からは、「とても興味深く拝聴いたしました。情熱を傾けた絶え間ない研究にはセレンディピティの瞬間が訪れるものなのかと思える一端にも触れられ、心に残る名講演だったと思います。」、「金属材料しか知らない時代に学んできた自分にとって、この度のテーマは非常に新鮮で、現今の生活と関連付けて興味深く聞くことができました。」といった感想が寄せられ、盛況のうちに終了しました。
挨拶:湊 長博(京都大学 総長)
金澤 しのぶ(稲盛財団 理事長)
「材料科学」と聞いて、どのような学問かを想像し、自分たちの生活と結びつけて考えるのは難しいのではないでしょうか。材料科学の最先端の研究をご紹介し、未来をどのように変えていくのか、3名の最先端の科学者と一緒に描いていきましょう。