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講師&講演概要LECTURERS & PRESENTATIONS 

講演者についてABSTRACTS OF LECTURER & PRESENTATION

木本 恒暢KIMOTO Tsunenobu
  • 京都大学工学研究科 教授
専門分野キーワード:
  • 半導体
  • パワーデバイス
  • 半導体物理
  • 電子材料

講演概要

社会を変える究極の省エネ半導体

半導体は現代のエレクトロニクス社会を支える最も重要な材料です。パソコン、スマホの動作はほぼ全て半導体によって実現されています。新しい電力源の一つとして普及している太陽電池や白色照明も半導体でできています。一方、自動車、電車、電力などの分野で活躍する半導体は「パワー半導体」と呼ばれ、歴史的に日本が世界をリードしてきました。特に、今後、ガソリン車から電気自動車への移行が進むと予想され、パワー半導体の重要性と需要はますます増加します。従来、パワー半導体の材料としてケイ素(Si)が長年用いられてきましたが、近年、このケイ素の理論限界を大幅に突破する半導体の研究開発が急速に進展しています。中でも、京都大学発祥とも言える炭化ケイ素(SiC)は、数多くの優れた性質を有し、かつ半導体としての技術も進んでいるので、数年前から本格的な実用化が始まりました。炭化ケイ素を用いることにより、様々な電気機器の電力損失が大幅に低減されることが実証され、最近では新幹線、地下鉄、電気自動車への搭載が進んでいます。本講演では、究極の省エネ半導体として研究と実用化が進んでいる炭化ケイ素半導体の魅力を紹介します。

講演者プロフィールLECTURER’S PROFILE

略歴(2023年9月現在)

1986年3月
京都大学工学部 卒業
1988年3月
京都大学大学院工学研究科 修了
1988年4月
住友電気工業株式会社 入社
1990年8月
京都大学工学部 助手
1996年3月
京都大学博士(工学)
1996年9月
スウェーデン国リンシェピン大学物理学科 研究員
1998年2月
京都大学大学院工学研究科 助教授
2006年4月 – 現在
京都大学大学院工学研究科 教授

主な受賞・栄誉等

2004年
電子情報通信学会業績賞
2011年
大阪科学賞
2014年
市村学術賞
2015年
加藤記念賞
2020年
岩谷直治記念賞
2020年
文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)
2020年
山﨑貞一賞
2022年
化合物半導体エレクトロニクス業績賞
2022年
衞藤細矢記念賞
2023年
IEEE Andrew S. Grove Award

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