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第2回 京都大学 − 稲盛財団合同京都賞シンポジウム2015.7.11-12
テクノロジー・遺伝子・芸術 -進化の足跡を辿り、現代文明とその未来を考える-(終了)

北村 恭子
エレクトロニクス分野

北村 恭子(若手研究者)(Kyoko Kitamura)

京都工芸繊維大学 大学戦略推進機構系グローバルエクセレンス 講師

専門分野キーワード
ナノフォトニクス、先進センシング、フォトニック結晶レーザ、特異点光学

講演テーマTitle of Presentation

「フォトニック結晶レーザによる新奇ビームの発生」

20世紀後半から近年に至る、情報技術やナノテクノロジーの発展は、レーザをはじめとする「光」によって支えられてきたといっても過言ではない。身近な例を挙げると、CDやDVDなどの情報記録媒体は、レーザ光とレンズを使ってデータを記録している。コンピュータの性能を決める半導体素子の微細構造の形成も、フォトリソグラフィーと呼ばれる光技術によって行われている。バイオセンサ、車載用センサといった先進センシング分野においても、レーザ光の利用が進んでいる。バイオセンサにおいては、レーザ光をタンパク質などの微小な生体物質に照射し、蛍光や散乱などから、情報を検出したり、車載用センサにおいては、レーザ光を前方の広範囲に照射し、衝突可能性のある物体による反射から、情報を検出することで、その結果を運転者に知らせたりするといった技術である。このような技術において、より高密度化、高精度化、高感度化、高速化を実現するような新たなレーザ光が必要とされている。私はこのような分野に対して、光源開発の立場から貢献することを目指している。

この講演では、先述の例の中でも、より高密度な光記録や高精度な微細加工、高感度バイオセンシングを可能にする、「より小さな集光点」を得ることを中心に議論する。また、微小な集光点を実現するための、偏光と形状の制御された新たなレーザビーム光源の開発について紹介する。

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プロフィールProfile

簡単な履歴
2002年3月 福岡雙葉高等学校 卒業
2002年4月 京都大学工学部工業化学科 入学
2006年3月 同 卒業
2006年4月 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻修士課程 入学
2008年3月 同 修了
2008年4月 京都大学大学院工学研究科電子工学専攻博士後期課程進学
日本学術振興会特別研究員(DC1)
2011年3月 同 修了
博士(工学)
2011年4月 京都大学大学院工学研究科 特定研究員(産官学連携)
2012年4月 京都大学白眉センター 特定助教(白眉)
京都大学白眉研究者
2015年3月 京都工芸繊維大学大学戦略推進機構グローバルエクセレンス 講師
・現在に至る
・この間
2014年5月 University of Bristol Research Collaborator を兼ねる(2015年2月まで)
主な受賞・栄誉等
主な論文・著作等

1. K. Kitamura, Ting Ting Xu, and S. Noda “Investigation of electric field enhancement between metal blocks at the focused field generated by a radially polarized beam”, Optics Express, vol. 21, Issue 26, 32217-32224 (2013).

2. K. Kitamura, M. Nishimoto, K. Sakai, and S. Noda, “Needle-like focus generation by radially polarized halo beams emitted by photonic-crystal ring-cavity laser,” Applied Physics Letters, 101, 221103 (2012).

3. K. Kitamura, K. Sakai, N. Takayama, M. Nishimoto, and S. Noda, “Focusing properties of vector vortex beams emitted by photonic-crystal lasers,” Optics Letters, Vol. 37, No. 12, pp2421-2423 (2012).

4. K. Kitamura, K. Sakai and S. Noda, “Finite-difference time-domain (FDTD) analysis on the interaction between a metal block and a radially polarized focused beam,” Optics Express, Vol.19, No. 15, pp13750–13756 (2011).

5. S. Iwahashi, Y. Kurosaka, K. Sakai, K. Kitamura, N. Takayama and S. Noda, “High-order vector beams produced by photonic-crystal lasers,” Optics Express, Vol.19, No. 13, pp11963–11968 (2011).

6. K. Kitamura, K. Sakai and S. Noda, “Sub-wavelength focal spot with long depth of focus generated by radially polarized, narrow-width annular beam,” Optics Express, Vol 18, No. 5, pp4518-4525 (2010).

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