講演テーマTitle of Presentation
「数学研究の醍醐味と原動力」
数学者を引きつける数学の魅力とは一体何だろう。それが、一般の人が抱く疑問だろう。数学の研究対象は一般の人には馴染みがないだろうが、対象に対する姿勢には共感してもらえる部分も多い。その姿勢は他の学術分野ばかりでなく、芸術にも通じる部分がある。また、発想の転換で問題が新たな展開を見せ、解決につながることがあるが、それは数学の大きな醍醐味の一つだと思う。本講演では自分の研究を振り返りながら、数学のどんなところに惹かれるか、そして数学の醍醐味についても触れたい。
プロフィールProfile
- ホームページ URL
- http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/list/mori.html
- 簡単な履歴
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学歴:京都大学理学部卒業(1973)、同修士課程修了(1975)、同理学博士(1978)
職歴:京都大学理学部助手(1975)、名古屋大学理学部講師(1980)、同助教授(1982)、同教授(1988)、京都大学数理解析研究所教授(1990-2016)、同所長(2011-2014)、京都大学高等研究院教授(2016-)、同院長(2016-)
外国滞在歴:ハーバード大学助教授(1977-1980)、プリンストン高等研究所研究院(1981-1982)、コロンビア大学客員教授(1985-1987)、ユタ大学客員教授(1991-1992)
- 主な受賞・栄誉等
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日本数学会彌永賞、中日文化賞、井上学術賞、アメリカ数学会コール賞、日本学士院賞、フィールズ賞、文化功労者、アメリカ芸術科学アカデミー外国人名誉会員、日本学士院会員、藤原賞
- 主な論文・著作等
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Projective manifolds with ample tangent bundles, Ann. Math. 110(1979) 593–606.
Threefolds whose canonical bundles are not numerically effective, Ann. Math. 116 (1982) 133–176.
(with S. Mukai) Classification of Fano 3-folds with B2 ≥ 2, Manuscripta Math. 36 (1981) 147–162; Erratum 110 (2003) 407.
On 3-dimensional terminal singularities, Nagoya Math. J. 98 (1985) 43–66.
(with Y. Miyaoka) A numerical criterion of uniruledness, Ann. of Math. 124 (1986) 65–69.
Flip theorem and the existence of minimal models for 3-folds, Journal of the AMS 1 (1988) 117–253.
(with J. Koll ́ar and Y. Miyaoka) Rationally connected varieties, Journal of Alg. Geom. 1 (1992) 429–448.
(with S. Keel) Quotients by groupoids, Ann. of Math. 145 (1997) 193–213.
(with O. Fujino) A canonical bundle formula, J. Diff. Geom. 56(2000) 167–188.
(with Y. Prokhorov) On Q-conic bundles, Publ. Res. Inst. Math. Sci., 44 (2008) 315–369.