シドニア・ファガラサンSidonia Fagarasan

京都大学大学院医学研究科附属 がん免疫総合研究センター 教授 / 理化学研究所 生命医科学研究センター 粘膜免疫研究チームリーダー
専門分野キーワード
免疫代謝、 分泌代謝産物、抗炎症性マクロファージ誘導、腫瘍免疫学

講演テーマTitle of Presentation

「免疫細胞を介した生理システム間の生化学的相互作用」

リンパ球をはじめとする免疫細胞は、免疫応答を起こす環境中に存在するさまざまなタンパク質からのシグナルを受容することにより活性化が制御されている。しかしながら、免疫細胞が活性化することによって生成する低分子代謝物は、免疫応答における重要な役割を有する可能性が示唆されているのにも関わらず、その全容は未だ解明されていない。最新の研究により、免疫細胞が生成または消費する低分子代謝産物は免疫応答の活性化の度合いを規定している可能性が示されている。これらのことから、我々は免疫細胞が生成する低分子代謝物が、環境シグナルとして免疫細胞どうしの相互作用に深く関与し、免疫制御系において重要な働きがあると考えている。本講演では、免疫細胞であるB細胞および抗体産生性形質細胞が低分子代謝産物を介して、抗腫瘍免疫を抑えることができる、免疫抑制性マクロファージが誘導されることを論じる。以前より知られているサイトカインなどのタンパク質のみならず、B細胞より産生される低分子代謝産物も免疫制御を担っていることを明らかにしたことで、これらが免疫疾患に対する新たな創薬ターゲットになると考えている。

プロフィールProfile

ホームページ URL
https://www.ccii.med.kyoto-u.ac.jp/member/
https://www.ims.riken.jp/labo/12/index_j.html
簡単な履歴(2021年8月1日現在)
2000年 京都大学 博士課程 修了
2000年 京都大学医学部医化学教室 博士研究員
2002年 理化学研究所 免疫・アレルギー 科学総合研究センター 粘膜免疫研究チーム チームリーダー
2013年ー現在 理化学研究所 生命医科学研究センター 粘膜免疫研究チーム チームリーダー
2020年-現在 京都大学医学研究科附属がん免疫総合研究センター 高次統御システム間制御部門 教授
主な受賞・栄誉等
主な論文・著作等

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