世界には7千以上の言語があるといわれていますが、そのうちAIでカバーされているのは百言語程度で、残りの多くの言語が消滅の危機にあります。言語は民族や地域の文化を伝承する役割を果たしており、言語の消滅は文化の消滅になりかねません。このような消滅危機言語を保存・継承さらに再興するために様々な取組みが行われています。
本講演では、その一環として行っている、アイヌ語を対象とした音声認識・合成の研究について紹介します。5~10時間の数名の音声データで90%以上の音声認識精度を実現し、多くの音源のアーカイブ化に貢献しました。また、録⾳の存在しない説話の⾳声を⽣成できる⾳声合成システムも開発しました。今後、琉球諸語や他の様々な方言に適用したいと考えています。