KUIP

講師&講演概要LECTURERS & PRESENTATIONS 

講演者についてABSTRACTS OF LECTURER & PRESENTATION

大武 美保子OTAKE Mihoko
  • 理化学研究所革新知能統合研究センター チームディレクター
専門分野キーワード:
  • 人工知能
  • 人間情報学
  • ロボティクス
  • 支援技術
  • 高齢者
  • 認知機能

講演概要

会話支援ロボットで認知症予防ができるか?

人工知能技術が急速に発展する今日において、人工知能が人間の知能を育んだり、人間の知能と人工知能が相互に補完し合ってより高度な知能を実現したりする方法を明らかにすることが、これまで以上に重要になりつつあります。そのような中、人生100年時代、多くの人が無縁ではいられないのは、知的機能が低下し日常生活に支障をきたす認知症です。認知症には、感染症と同様、基本的な対応策が知られています。特に、ものの見方や、行動の仕方に現れる、脳の使い方の長年にわたる生活習慣が、認知症発症率に影響を与えることが明らかになってきました。

本講演では、認知症予防の考え方と共に、それを日常生活で実践することを可能とする会話支援手法である共想法と、共想法に立脚し開発した会話支援ロボットの開発、そして、理化学研究所認知行動支援技術チームにおいて行った効果検証実験を通じて明らかにした、人間の認知機能、脳に与える影響について紹介します。さらに、会話支援ロボットの利用場面として、NPO法人ほのぼの研究所における実践研究活動を紹介し、認知症を防ぐ社会の実現に向けた展望を述べます。

講演者プロフィールLECTURER’S PROFILE

略歴

1994年3月
私立女子学院高等学校 卒業
1998年3月
東京大学工学部 卒業
2000年3月
東京大学大学院工学系研究科修士課程 修了
2003年3月
東京大学大学院工学系研究科博士課程 修了
2003年3月
博士(工学)(東京大学)取得
2003年4月
東京大学大学院情報理工学系研究科 特任助手
2004年10月 – 2008年3月
科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任)
2005年4月
東京大学総括プロジェクト機構 講師
2006年9月
東京大学人工物工学研究センター 助教授
2007年4月
東京大学人工物工学研究センター 准教授
2008年6月 – 現在
NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長
2010年10月 – 2016年7月
科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任)
2012年4月
千葉大学大学院工学研究科 准教授
2017年4月
理化学研究所革新知能統合研究センター チームリーダー
2018年4月 – 現在
東京農工大学 客員教授
2025年4月 – 現在
理化学研究所革新知能統合研究センター チームディレクター

主な受賞・栄誉等

2003年
日本ロボット学会 研究奨励賞
2012年
人工知能学会 近未来チャレンジ修了認定
2014年
文部科学省 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞
2016年
人工知能学会 現場イノベーション賞
2024年
ドコモ・モバイル・サイエンス賞 選考委員特別賞

ホームページURL