テキスト形式の質問に対話的に答える「生成AI」が近年急速に社会に普及しつつあり、文書の添削や翻訳など、もはや「かな漢字変換」と同じ感覚で日常的に使われるようになってきています。元々、AI(人工知能)とは、人間にしかできないような知的な作業を機械で実行できるようにするための技術で、人類が70年以上も前から脈々と研究を続けてきたものですが、この10年くらいで大きく開花し、人間の能力にかなり近づいてきたように思います。
本講演では、アルゴリズム(計算手順)の専門家の立場から、最近のAIはどんな計算が得意で、どんな計算が苦手なのかについて解説したいと思います。